お悩みマンの未来日記

今感じたことを未来につなげるために、1人の働き人として役立つ記事を発信します。

舟を編むを読んで感じた事。

今更感があるが、どうしてもこの読書感想を書きたくて、このブログにその感想をのせてみたいと強く思った。

 

読書界に行った時のことだが、小説の楽しみ方として2パターンあるようだ。それは完全にハッピーエンドで終わるタイプともやっとした間で終わるタイプ。

 

僕は小説は気持ちよく読みたいと思っているので、完全に前者タイプ。後者のタイプの方は、読後感の解釈を楽しむことが出来る点がその理由だという。

 

この三浦しをんさんの「舟を編む」は、どちらかといえば、ハッピーエンドの終わり方だと思う。

 

 

舟を編む (光文社文庫)

舟を編む (光文社文庫)

 

 

この小説は、辞書編集部 という知る人ぞ知る世界がもとになっている。辞書編集という世界に魅せられた人間たちの「好きなものに心を砕いて打ち込む姿」の美しさは、何にも代えがたい。

 

辞書は言葉の海を渡る船だ。ひとは辞書という舟に乗り、暗い海面に浮かびあがる小さな光を集める。もっとふさわしい言葉で、正確に、思いを誰かに届けるために。もし辞書がなかったら、俺たちは茫洋とした大海原をまえにたたずむほかない。

 

これは作中に出てくる登場人物の一人である老編集者荒木の「辞書とは」を端的に表すものだと思う。

 

この「舟を編む」は仕事小説ともいえるが、人間の生命活動の根本である言葉というものの大切さ、そして「どう生きるべきか」という生き方そのものも提示しているような気がした。

 

作中に出てくる松本先生が残した想い。人の去り際の美しさが凝縮された場面は、感動ものである。

私は本作が仕事や人生に利く良薬の作品だと感じた。