あの日のルポ 3.11に改めて思うこと。
大震災が東北を襲った7年前の今日。私は、まだ卒業を控えた学生で東京駅の某喫茶店でバイトをしていた。
昨日のことなんて結構忘れているのに、あの日のことを何故だか鮮明に覚えている。
バイトの数時間前に大丸で友達にあげるためのプレゼントを買った。まさか数時間後に地震が起こるなんて想像もしなかった。
東京駅はオフィス街のため土曜日は、以外とすいていた。退屈だなーなんて僕は洗い終わったスプーンをふいていた。
地震が起こったとき、確かに揺れてはいたが、そんな深刻な揺れに感じなかった。お客さんとか店のスタッフは慌てて、店から飛び出していたけれど。
しかし数分たつと店にお客が押し寄せてきた。電車が止まったらしい。
殺気だつお客さんを制止しつつも、周りの状況など全く読めていない。このときになっても僕はまだ事態の深刻さに気付いていなかったのだ。
初めてヤバイことが起きたと気付いたのは、休憩で外出したときにセブンイレブンに立ち寄ったときだった。店頭の食べ物が跡形もなく消えていて、わずかにパンが残っているだけだった。
いつもは数人のお客さんしかいない牛丼店も、お客さんで埋め尽くされ、食材も切れて閉店を余儀なくされていた。
「ヤバイことが起こったのだ」僕はそこで初めて気付くことになった。
その後もお客さんが絶えることがなく、遮二無二働く他なかった。喫茶店でバイトをして一番忙しかったのは、震災が起こったその日だった。
東北がどんな状況だったのか。僕は勤務後のネットニュースで知ることになる。この世のものとは思えなかった。
これが現実に起こっていることなのか?しかも僕が住んでいる日本で。
7年たった今でも全く実感がない。経験したことでしか語ることができないのと同様に。
僕にできることは、この日のことを決して忘れない。ということなのだろう。無くなったもの失ったものを思い返すこと。前を必死に向こうとする人を応援すること。
僕は小さなアクションとして募金をすることにした。それが僕が差し出せる唯一のものだと思うから。
最後にはなりますが、この地震で不幸にもお亡くなりになられた方のご冥福を心よりお祈り申し上げます。